2012年2月10日金曜日

【感想】SS「エージス先生のバレンタインデー」(作・晴天様)

SS「エージス先生のバレンタインデー」
http://www.silversecond.com/game/SilGakuMOD/html/tdv207.html?#13197905104101

お正月実家に帰った時、兄弟とシル学の話をしました。以前から兄弟でシルフェイドシリーズはプレイしていたので、シル学に興味は持っていたみたいですが、実際にプレイをしていたのは私だけでした。

そこで、もうひと押ししてみた結果、無事ウェブマネーを買いに行く運びとなったわけです。一応冷静に「結構面白いよ……」なんて薦めていたのですが、内心ではめっちゃガッツポーズしてました。

それから、プレイも進んできたある日、妹と「どのSSが一番印象に残ってるか?」という話になったんですが……妹が挙げたのはSS「エージス先生のバレンタインデー」でした。

このSSで主に活躍するのは、表題の通りエージス先生なのですが、他にも多くの人物が、生き生きと描かれています。ジュド先生は会議室では「エージス先生」、廊下に出た時は「エージス」と、呼び方が変わるのに対し、エージス先生は口調も何も変化しないとか、細かいところでキャラクターの特徴がうまく出ています。そういうところが「生き生きしている」と感じさせるのかもしれません。

また、このSSは、本編で語られなかった部分がうまく補完され、イメージを膨らませてくれます。ゲーム本編のバレンタインデーでも、主人公はチョコレートをもらったりあげたりしていますが、他のキャラクターがどうしていたのか。災い終息後に先生方はどのようなやり取りをしていたのか。こういうエピソードが、楽しく、そして違和感なく展開されていきます。

様々な所に、晴天さんの本編シナリオ・世界観への考察が垣間見えます。といっても、考察を前面に押し出しているわけではなく、ストーリーに織り込まれていてるんですね。主人公の頭をなでた時のエージス先生の反応とか、ちょっとしたことで「現実感」が出てくるんですね。こういうのに、私は非常に弱い……もう心を掴まれます。

そういう目立たない部分もしっかりしていますが、妹の印象に残った理由は、ネタが面白かったから、ということでした。描写の仕方、読みやすさへの配慮、それらの上で最終的にSSを決定づけるのは、やっぱりネタなんですね! ただ、「このネタ最高!」とか露骨に書いてしまうと、これから読む人の楽しみを奪うかもしれないという……この辺、感想やコメントを書くとき難しいところかも。

そんなわけで、このSSは兄弟共々オススメです。

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