2012年2月12日日曜日

【感想】真なる魔王ルート(作・PQ+様)

真なる魔王ルート
http://www.silversecond.com/game/SilGakuMOD/html/tdv222.html?#13129141857301


さて、今週の休みは大型ユーザーデータをもう一回やろう、と決めていました。真なる魔王ルートです。以前から感想を書きたいと思っていたのですが、プレイしてからずいぶん日にちが経っており、バージョンも上がっていることから、再プレイをしてから感想をまとめたくなったのです。

まず、このユーザーデータが完成する前に投稿された、真なる魔王ルートPSSについて語る必要があるかと思います。これは、PV(プロモーションビデオ)ならぬPSS(プロモーションショートストーリー)ということで、このデータの予告編です。この反響の大きさは、今でも印象に残っています。投稿されて12時間でコメントが5件……このペースは凄いです。私もその5件のうちの一人でした。それだけの吸引力を、このPSSに感じたんですよ。
  • 予告編の作り方、盛り上げ方が秀逸
  • 真なる魔王のことは、みんな気になっていた

やっぱり、盛り上がるテキストをかける人の作品は、期待できますからね! そして、真なる魔王は多くのプレイヤーにとって、印象に残ってるんだけど、本編の扱いが……というキャラクター。需要にもぴたりとマッチしたと考えられます。

まあ、このPSSという手法は、安易に真似できないですよね。これで完成を見なければ、もうこのワクワク感どこに持ってったら良いの状態になったでしょうから。でも、昨年のお盆休みにはプレイしていた記憶があるので、完成も結構早かったのです。

そして、真なる魔王ルートの完成版です。まず主人公は放棄地区に落下し、真なる魔王と出会います。そして、セタと共に竜人の子供たちの生活を支えつつ、真なる魔王と共に災いの調査を行います。

序盤の見どころは、学院生たちが主人公たちの生活やネオ・ジーンの問題について考え、少しずつ協力してくれるところでしょう。学院の多彩なキャラクターがエピソードに生かされていて、すごく楽しいです。

セタたちは当初、アパートを不法占拠している状態なので、早いところお金を集めて、新たな住居を見つけなければなりません。真なる魔王も、災いの調査で忙しいところを、協力してくれます。

そして無事新しい住居に移った後は、本格的に災いの調査開始。ここから真なる魔王が怪しんでいる人物を調査していきます。登場人物はみんなシリアスにやっているはずですが、エピソードは何だか間が抜けていたり、ずれているんですよね……。

あと、基本3クラスと同様、アルバートがクラス(?)に加わって、一緒に調査します。アルバートのキャラの立て方が良いですね! 他のクラスより、アルバートが元気に活躍していて嬉しいです。

そんな本筋の他にも、並行して進むサイドストーリー…… セタ とジュドの親子関係も見逃せません。このエピソード、すごく暖かくて好きですね。本編でも、ネオ・ジーンの子供たちと一緒に暮らしているセタですが、こういう信条だったんだなぁと納得できました。

それから、9月くらいから本格的に活躍し始めるオリジナルキャラクターの刑事……これがまた良いキャラクターしてるんですよ。ただセリフが面白ってだけじゃなくて、物語のテーマをきちんと内包してるんですよね。人間とネオ・ジーンの共存、治安の維持と人情とか……。シル学世界での社会問題ですが、難しいんでしょうね。公安委員会だけ、ネオ・ジーンが一人もいないというのも、何となく……マイノリティ側の、体制側への静かな不信があるんじゃないかなぁ、なんて……これは妄想ですが。ただ、そんなものを笑い飛ばしてカラッと揚げてしまうくらい、この刑事は明るくて、前向きになります。

もう記事がかなりの長さになっているんですけど、ここまで書いてゲーム内で半年くらいまでの感想ですね……すみません。まとめますと、このユーザーデータの魅力は、何といってもストーリー。ストーリーを楽しむために育成し、選択して、ゲームを進めていきます。あんまりエピソードを顕わに書きすぎると、これからやる人の楽しみを奪ってしまうので、やはり感想を書くのは難しい。

PSS予告編は嘘予告で盛り上げたわけではなく、ちゃんと完成版に出てくるシーンでできてるんですね……ほんとに。あと、このセリフだけ書かせてください……「私は○○だからだ」……これ、初プレイ当時、思わず変な声が出ちゃいましたよ。参りました……。

9 件のコメント:

  1. うっひゃぁ! 真なる魔王ルートの感想を取り上げて頂いてありがとうございます。
    嬉しさと恥ずかしさで顔を引き攣らせながら読ませていただきました(笑)

    PSSは今の自分で見てもいい出来だなって思います。誰だ? こんなの作った奴は(笑)
    SF研究部もメイン部分が完成したら、テストプレイ中にPSS作ってみてもいいかも知れませんね。

    ネオ・ジーンは以前も書きましたが、設定自体が好きなんです。というか、自分が設定マニアで、設定の作りこんである作品が好きなんです。TOEとかサガフロ2とか、設定資料読んでるだけで盛り上がってしまえるくらい。シルフェイドシリーズも作品の間に表にはない繋がりがあって、マニアにはたまりません。

    あと青山警部補は意外と人気ありますね。本当に以外(笑)

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    1. おおお、コメントありがとうございます!!
      PSSから応援していたので、完成版は真っ先にやりましたよ! プレイしたのがブログを始める前だったので、なかなか感想を書くのが遅くなってしまいました。

      私も「設定」を楽しむ性質ですね。あんまり込み入ったものを物語に持ち込まれるのは苦手ですが、物語を楽しみつつ、設定集を見るのは好きです。想像力がかきたてられて、盛り上がりますよね。公式シルフェイド設定資料集とか、出ないかなぁ……。

      青山警部補は、本当に良いキャラだと思いますよ。物語の後から味方になる、癖のある刑事。作戦の指揮的な立場にいつつも、言動は親しみやすい。仕事はできるが信念を貫いて降格された過去を持ち、地道に捜査している様子もきちんと描かれている……あれ? 私、PQ+さんの狙い通りに、このキャラを好きになった気がするんですけど、気のせいですかね^^。

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  2. 真なる魔王ルートはキャラが大勢出てくるにもかかわらず、キャラクター的に変な部分が見当たらない所が凄いですよね。

    さすがに、アンケート結果の発表前なので、真なる魔王のキャラだけはPQ+さんの独自解釈がそれなりに入っていますが、目的以外は自分の解釈では「大体こんなキャラだな」という感じにまとまっているんですよね。

    そして「私は○○だからだ」の場面は、元ネタも好きだし、意外性もあったし自分も印象に残っています。


    気に入ったユザデなので、バグ取りもお手伝いして、そういった意味でも印象が強いですね。

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    1. そうですよね。どのキャラクターもよく特徴を捉えてますよね。
      真なる魔王が安易にニンゲンに気を許さず、ずっと警戒している様子なんか最高ですね。

      あの場面は、やっぱりはっとしますよね!
      あれに至る盛り上げ方も良いですよ!

      そしてカイルさんは、色々なデータのバグ取りに貢献されてますよね。「特典アイテムまとめ」を製作されているカイルさんですから、他製作者のデータに対して、普通のプレイヤーより丁寧に見ていらっしゃる感じがします。

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  3. 自分は人よりも違和感を感じやすいみたいなんですよね。だから、バグを良く見つけるだと思います。
    ただ、キャラ的な違和感も感じやすく、そういった場合、作者さんにも好きなようにデータを作る権利もあるので、伝えようかどうしようかと迷う事もありますが……。

    他にも、面白い仕掛けがあると、どうやっているのか覗いたりするので、その時にバグを見つけるとかもあります。

    あと、自分はシル学のユザデを作る=WOLFさんを中心としたみんなでシル学を作っているという感じなんですね。
    だから、バグ取りや助言などで積極的に皆さんに協力しようと思うのかもしれません。

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    1. 確かに、違和感はバグを見つけ出す嗅覚になりそうですね。
      また、キャラ的な違和感を製作者に伝えるかどうかは、難しいところだと思います。
      私自身は、そういうことを指摘されたり、語り合ったりするのも楽しいかなと思いますが、それを元に作品を手直しする自信はありません……。人の指摘でストーリーを直すのって、めちゃくちゃ難しいんですね。やっぱり自分なりのこだわりがあって。

      私からは、他の人へキャラ的違和感の指摘をしたことは、ほとんど無かったと思っていたのですが……ほかならぬカイルさんの「アウルと水晶と……」で一回やってましたね。カイルさんは、キャラの描写に指摘を受けたとき、どのように感じましたか。

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  4. えっと……制服トレードの件ですか? あの件に関しては、自分も同じように思っていたので「まあ、しかたないか」といった感じでしたかね。
    というか、あのシーラカンスさんのコメントで「アウルとセト」の台詞を思いついたような面もあるので、実質プラスかもしれません。

    キャラ的な違和感に関しては、とりあえず知らせて、直すかは作者さん任せるというのが一番いいのかもしれませんね。
    ちなみにキャラ的な違和感に関しては、作者さんの検証が甘いというよりも、よく知らない事に関して言及したり、とりあえず数を揃えようとするとなりやすいのかな? という気がします。
    シナリオを作りなれていない人間が、いきなり沢山のイベントや大型のイベントを作るのは難しいですしね。

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    1. 違和感を伝えることは悪いことだとは思わないのですが、私は伝えた相手にどう思われるのか気になります。嫌われる、という意味ではなく、やる気を削いでしまったら申し訳なく思うのです。カイルさんにプラスに捉えていただけて、ほっとしました。

      私は今のところ、ユーザーデータの原作準拠の具合には満足していて、むしろ凄過ぎて驚くことの方が多いのですが、キャラの違和感を伝えるのはなかなか難しいと思います。
      機会があれば別の記事としてこのことを書いてみます。その時にも、ご意見をもらえたら幸いです。

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  5. 前回のコメントがちょっと分かりにくかったかもしれないので、補足しておきますと、他人から言われないと自分の作品の悪い所に気づかないのでは? という事です。

    例えば、作りが雑なデータを投稿した人が居たとして、その人は恐らく自分の作品を雑だとは思っていないと思います。
    その人に「もう少し丁寧に作った方が良いですよ」とコメントした場合、次の作品からは丁寧に作るのでは? と思います。

    同じ事はゲームバランスやキャラの解釈にも言えるかもしれません。


    ただ、自分の場合、設定の間違いやバグを指摘して、作者さんのやる気をそいでしまった事があるかも知れません。

    東洋人さんの「ウリユ詰め合わセット」で、自分のコメントの後で、東洋人さんが修正すると言うようなコメントの後、結局更新されていないのですが、実際どうなんでしょうね? 別の理由で修正されていないのかもしれませんが……。

    もう1つやる気をそいでしまったかもしれない例で、シーラカンスさんもたぶん知っていると思いますが、とある作者さんのSSの削除前のバージョンに関して自分が「設定と違うのでは?」と指摘したら、作者さんが丸々書き直してしまったんですよね。

    自分は面白かったとコメントに書いたし、粗探しの意図も無かったし、それに、指摘しなくても他にも2人ほど同じ指摘していたので、同じ結果になっていたと思いますが……。
    なんとなく悪い事をしてしまった気がするんですよね……。
    そういうこともあったので、キャラに関しては言いづらい面もあります。

    もちろん、更新しないのも、消すかどうかも作者さんの自由なのですが……。なんとなく寂しい気がしますね。

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